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2014年5月 3日 (土)

出版記念会『牧会相談の実際:カウンセラーとともに考える』

先週は、久々、出版記念会に参加しました。

『牧会相談の実際:カウンセラーとともに考える』あめんどう, 2014年4月発行, 1400円

藤掛明、小渕朝子、村上純子氏という、脂ののったクリスチャン臨床心理士三名による対人援助に関する良書の出版記念会です。この本は、それぞれの現場とキリスト教会での経験から得た知見が詰まったもの。牧会カウンセリングの本といえば、今まで翻訳本が多く、日本的な諸々なものを咀嚼した本は少なかったと思われます。今回の著者は、先輩の英知を引き受け、より整理し提示して熟れているよう、そう言う意味で次世代的期待のグループと言えそうです。それぞれの講演は、情熱とコクがあり、シャープな切り口に溢れながら、どこかひょうひょうと冷静で弾力のある話しぶりに引き込まれます。それぞれの見解、独自のノウハウに、参加した牧師の方々から熱いエールや要望が寄せられていました。振り返ると、教会は、心理学について消極的、また懐疑的に警戒していた時代から心理学アプローチに積極的となり、はたまた頼り過ぎているように見える昨今があるとのこと。牧会的援助と心理学的援助、いや牧師と心理学専門家との良好なコラボレーションの、カウンセラー側からの提示(ラブコール)ではないかと思われました。違いを自覚しながらも相互連携しあう。同一視しないで、必要とされる効用や境目について今の時代にあった落しどころを一緒に見ていきましょう、というような温かな思いが伝わります。

記念会の講演から、個人的には、罪と罪責感の違い、カウンセラーが生き残ること、共倒れしないこと(牧師の危機対応の弱さ) 守秘義務、クライアントとカウンセラーの関係性や責任、多重関係を持たないことなどの倫理的指摘、などなどが心に残りました。そのノウハウに後味リッチ感。「パンドラの箱をあけてしまった。」との藤掛先生の発言は、私たちにとって頼もしい。これからの展開が楽しみ。どれも 勘所を押さえて、役に立つことが凝縮、また透かし彫りされていました。実は、執筆者のお二人とは、今までに色々なところでお会いする機会があったのですが、この会で、臨床心理士という専門職、研究者でありながら優れて実務家でもある(時によっては真逆)総合職であることを改めて認識しました。

この本、入門書として口溶けよく、ガイドブックというより、読み物としても優れている気がしました。特に第二章、牧会者が受けた相談事例の章にページ数の多くをさき、各事例への臨床心理士のインタビューと解説は濃厚で良いです。そのあとの25名によるブックガイドも、「そう読むか。さすが。フムフム」と面白いです。全体に教科書的でない実際的な知恵があります。この値段でこの内容とは、とてもお得。各教会に1冊必携、常備すべき本ではないでしょうか。

いざ、専門家に援助を求める、相談しようとするときに起こる心配や不安が緩和され、相談するときのベースとなる共有言語や基礎知識を得られます。カウンセラー任せ、まるなげしないで、牧師、信徒と専門家がどう連携していくか視野が広げられます。人に向き合うことへの温かな思い知的な息遣を感じます。この本を読んで、「寄り添い」をされている人たちは元気になり、クリスチャン臨床心理士になりたい!という若い人も現れるんじゃないでしょうか。

 牧会相談の実際 カウンセラーと共に考える

目次は→http://amendo.ocnk.net/product/33

2014年2月17日 (月)

2・11信教の自由を守る日

P2050016 2月11日、建国記念の日。今年は「建国記念の日」を迎えるに当たっての安倍内閣総理大臣のメッセージがあったり、いつもと違う動きを感じますが・・。キリスト教会では、例年、変わらず、その日は「信教の自由を守る会」として、各地で集会が行われたようです。当館では、この日の前後、ミニ企画「信教の自由を守る日」関係本展示を行いました。改めて展示棚に集まった本を見ると、今まで地道に活動されてきた方々・諸団体のお働きに頭が下がる思いです。それらのなかで、古い友人でもある袴田康裕氏(改革派神学校教授)の本、新刊など数冊が目にとまりました。学生時代からこの問題に関わっている先生。そのスタイルは、きっと今も変わらず深まり拡がりをもっているようです。阪神大震災が起った年の2・11、被災しながらも変わらず集会に関わっていた氏の姿に感銘を受け、記した駄文があったので記します。古びたスクラップ・ブック、若気の至りに苦笑いですが、何卒、字足らずご勘弁を。

「カタイ言葉」

簡潔に
暦は、支配の表現であることを教えた。
2月11日は建国記念の日ではない。紀元節ですらない。

震災から26日目の1995年2月11日
君はそこに立っていた。
路地裏から入るとある教会で、人生の習慣を守るように。

君はすべきことをする。
ただ、それだけだ。
いつでも自分の持分に忠実だった。

語ることは、苦痛でも喜びでもない。
賞賛も批判も必要とはしなかった。
言葉自らが語ろうとすること、だだそれを語るだけだ。

君が君であること・・・・
君はカタイ名前の学校で学んだ。
カタイ名前は君によく似合う。

かって「言霊の幸う国」と云われたこの国で
本当の言葉をつかさどる神を讃え、畏れるために。

大切なのは神の言葉だ。

堅い学校で
人知れず発酵していった、しなやかな感性をもって、
君は今、自分に与えられた「務め」をなそうとする。

2014年2月16日 (日)

『クローディアの秘密』

先週、閲Photo覧席の椅子の上に、歯ブラシが置き忘れられているのを発見。歯磨き好きの利用者の忘れ物・・いや、ひょっとして図書館に寝泊りしている者がいる?今年は、居心地のいい大きなソファも入れたし・・そういえばそんな本があったような。たしか図書館か博物館に家出した女の子の話が。そんな妄想がはじまりで、公共図書館で『クローディアの秘密』(岩波少年文庫)という本を借りてきました(ウチの図書館にはないので)。この本は、ニューヨーク・メトロポリタン美術館に忍び込んで寝泊りする、家出した姉弟の物語。ストーリーが面白い。「幸福というのは、わき立つ感情が心の中に落ち着き場所を見つけることです・・・」p222名言もあったり、児童文学って、実は大人が読むための本なのですね。

オリジナルは、E.L. Konigsburg, "From the Mixed-Up Files of Mrs Basil E. Frankweiler"





 

2014年2月 9日 (日)

企画展『フジフイルム・オンリーワン・フォトコレクション』展

2月Cimg5502、エライ寒さの中、六本木東京ミッドタウン内にあるフジフィルムスクエアの展示会に行ってみました。最終日とあって盛況でした。
  

●FUJIFILM SQUARE 企画展『フジフイルム・フォトコレクション』展 (1/17-2/5 無料)


Cimg5505この企画は、富士フィルム80周年記念事業の一環。幕末から現代までの日本の写真界をリードしてきた写真家101名それぞれの代表作と言える「この1枚」を展示しモノとしての写真を体現する企画のようです。我が浪華写真倶楽部いや日本を代表する写真家だった仲井安治さんの写真「海濱」(1936)はやっぱり傑作。とても良かったです。牛腸茂雄、東松照明、星野道夫、上田正治、石内都・・・どれも好きな写真家たち、その一枚をじっくり見て、日本の写真史を考える、写真はやはりモノでした。やはり、銀塩のプリントはいい。現像の時の独特のにおいを思い出しそう・・・。

2014年1月 2日 (木)

2014年 明けましておめでとうございます。昨年の振り返り

明けまして、おめでとうございます。
2014年、良い年をお過ごし下さい。
2013年振り返りはこんな感じ。皆さんはどんな一年でしたか。

  1. 夏、バスの旅を満悦。乗合バスを乗り継いで、延々数時間。その昔、日本のチベットと呼ばていた東北の片田舎、小さな町へ再訪。ロードムービーのよう。落ち武者のように見ていた風景を再び懐かしく見入りました。
  2. 秋、東京街中、約400年前キリシタンが歩いた路、約10kmを仲間と歩きました。
  3. 師走、特定秘密保護法案反対のため、国会議事堂へ詰めかけました。久々のデモ参加。
  4. 冬、多摩全生園にて、元ハンセン病図書館司書の山下道輔さんにお会いしました。
  5. 早春、一日黙想会参加。修道院の中の静けさを体験。久々、南荻窪のブラザート書店に立ち寄り、タウン・ウォッチング。
  6. バードウォッチングの会参加。昆虫や植物、鳥など自然の不思議、素晴らしさとそれに喜びを見出す人々に出会いました。
  7. 恒例のGWキャンプも開催。
  8. 里山の森の会に参加。樹木、森を大切にするご近所さんと出会いました。
  9. 葉月、坐禅の会(人間禅)参加、数息観を本格的に初体験。カツもいただきました。
  10. 皐月、浅草フィールドワーク、革のなめしの世界を覗きました。
  11. 長月、福島須賀川の教会礼拝参加。

こうやって書くと初めてや久々のことが多いのでした。さて今年、何に手を伸ばすか。

2013年9月23日 (月)

「色を見る、色を楽しむ」展。ブリジストン美術館の椅子

晩夏、朝10時過ぎ、ブリヂストン美術館開館時間に入館、「色を見る、色を楽しむ」展を楽しみました。チケットをプレゼントしてくれた友人のMさん、ありがとう!。

 朝の美術館は人が少なく、明るい静けさがあります。ここの美術館の良さは、各展示室がコンパクトで、ちょっとした居間の延長の雰囲気があり、アットホーム的な落ち着きがあることです。各展示室の真ん中には、座り心地の良い、革張りの黒い椅子があります。この椅子に座って、しばらく好きな絵画をじっと見る。これは至福の時です。
 絵画と向かい合い、対話できる。こんな絵画と観る人との空間作りを大切にしている美術館って、多くないのでは?ブリジストン美術館の好きなところです。気がつくとあっとうまに時間が過ぎていて、午後の会合に遅れそうになるのでした。(笑)
 そして、いつもの儀礼、私のお気に入り、岡鹿之助の絵に「あいさつ」してブリヂストン美術館をあとにしたのでした。絵画は寡黙、でもゆっくりと向き合うと、匂いや音、描いた人の挨拶が帰ってきます。
 次回のカイユボット展も楽しみです。
2013. 6/22-9/18

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2013年5月15日 (水)

マリオ・ジャコメッリ写真展

東京都写真美術館にて、Mario Giacomelli 展を観てきました。

「白、それは虚無。黒、それは傷痕(きずあと)。The Black is waiting for the white.」

若かりし頃、神学校で学びたかったというジャコメッリ。彼が撮った「神学生たち」は傑作でしょう。

"Mario Giacomelli " Mario Giacomelli Alistair Crawford(著)

帰り道、恵比寿ガーデンプレイスからちらっとみえる東京タワー、その景色がいつも好きです。

P4300113


ジャコメッリはイタリアの写真家。

2013年4月30日 (火)

エル・グレゴ展 空間

エル・グレコ展(2013年1/19~4/7. 東京都美術館)、国内史上最大の回顧展だったそうです。4月に観に行っていから、日にちが過ぎましたが、 「無原罪のお宿り」1607~1613年サン・ニコラス教区聖堂(サンタ・クルス美術館寄託) は今でもその時の見応えが残っています。347 x 174 cm、3メートルを超える超大作。(エル・グレコが残した祭壇画の最高傑作との呼び声も)。天上に伸びていく勢いが圧巻です。

エル・グレコ(El Greco、1541年 - 1614年4月7日)は、スペインの宗教画家。この展示会では、建築家としての側面に光を当てていました。グレコの内面や宗教感についても知りたくなりました。カトリック辞典では、あまりその辺のことは書かれていませんでした。彼が生きた時代、欧州ではルネサンス、宗教改革が起こり、1534年にはカトリック内改革としてイエズス会が設立され、激動の時代だったのではないでしょうか。スペインといえば、『霊操』で著名なイグナチオ・ロヨラ(1491-1556)の出身地です。美術の流れもマニエリスムなど興味深いです。

建築といえば、地と天をつなぐ動線としてのグレコの作風や垂直の空間の捉え方が面白かったです。天上の見えないものを見ようとする一生懸命さ、光への求めを感じました。 

展示の内容は以下のとおり。
・肖像画家エル・グレコ
・肖像画としての聖人像
・見えるものと見えないもの
・クレタからイタリア、そしてスペインへ
・トレドでの宗教画:説話と祈り
・近代芸術家エル・グレコの祭壇画:画家・建築家として

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2013年3月30日 (土)

李清俊の世界、宮本久雄氏による『風の丘を越えて』

 『いのちの記憶-受難と甦りの証言』宮本久雄著,新世社,2007を読みました。そして、韓国の小説家、李清俊さんに興味も持ち、ビデオ『風の丘を越えて-西便制』(林權澤(イム・グォンテク監督)を再鑑賞し、改めて本を読みました。『いのちの記憶』の五章、「晴恨(ハン)へむかって、「脱在(エヒイェ)する」こと-李清俊文学とエヒイェロギア-」の文章はとてもインパクトがありましたらから。『風の丘を越えて』の主題を通して響きあう、キリスト教的脱在が書かれています。

-「南道の唄(パンソリ)は、われわれの心に重い”恨”(ハン)をもたらすのではなく、逆に”恨”によってこり固まった辛いしがらみを唄で慰め、解きほぐしてくれるのです」。-

 ドミニコ会司祭であった哲学者宮本氏は、具正謨氏から、李清俊文学の魅力を知ったそうです。恨が唄のエネルギーによって怨鬼の世界から脱し、晴恨の交流の世界に開かれるその結晶的エネルギーに、人間性の苦悩の深さとそれを乗り越えようとする信頼や赦し、そして、戦争等で分裂した現代に和解と共生をもたらす光明をみたそうです。

小説『南道の人(남도 사람)』は以下の五編から構成されています。映画「風の丘を越えて」は、この1と2編を描いたものです。映画「千年鶴」(イム・グォンテク監督百本目)は3編をもとに製作されました。パンソリをテーマとした恨晴らしの物語、全羅南道・恨(ハン)・貧しい人々・唄(パンソリ)を描いています。1から5編の繋がりがまたユニークな作品です。

1.西便制(ソピョンジェ)、 2.唄(パンソリ)の光、 3.仙鶴洞の旅人、 4.鳥と木、 5.生まれ変る言葉

 宮本氏の分けによると第一部(1-2編)は、主人公パンソリ男が義理の妹(唄い手)の「声」によって浄化する物語、第二部(特に5編)は浄化されたパンソリ男とその人生こそ様々な人々の心と共鳴する広がりを披(ひら)き、殊に茶道の心をも体現し、その心が新しい信頼に満ちた言葉を生み出すことを語る物語で、基調音は、「唄声」による浄化・赦しだそうです。3-4編の解説はありませんでしたが、実はこちらも深いものあります。

 その他に、『自由の門』を読みまがしたが、信仰をもつものとして、ザックと信仰心を揺さぶる問いかけがありました。昨年、趙博さん(パギやん)のパンソリを聴きましたがまた心にしみるのでした。

李清俊(イ・チョンジュン、1939年8月9日 - 2008年7月31日)

小説家, 経歴:ソウル大学校文理大独文科卒、主要文学賞受賞、国民的作家

詳細は、wikipedia, 参考文献:韓国近現代文学事典(明石書店)に詳しい。

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2013年2月16日 (土)

西洋美術館「手の痕跡(Traces of Hands)」展 ロダン、ブールデル

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1月、西洋美術館の「手の痕跡(Traces of Hands)」展を観てきました。西美館所蔵のロダン(1840-1917)、ブールデル(1861-1929)の彫刻と素描 展。展示場内外にあるブロンズの数々から、描かれている人物の内面性が伝わってきます。鋳造ならではの迫力。

「実物をそのまま写し取りのではなく、翻訳して誇張することで、写実以上の真実を得ることができる」

「粗い仕上げのまま残された細部がより深くモデルの人間性を映し出す」という解説文が心に残りました。

*静岡県立美術館のロダン館HPになんとロダン体操なるものがあるそうな。おもしろ。

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同時開催の「彫刻の魅力を探る」 がまた面白かったです。

粘土で制作した像を石膏で型どりし、石膏、テラコッタ、大理石、ブロンズという異なる素材に置き換えていくビデオ映像で、塑造、鋳造などの基本制作技法がわかりました。こんな大変なことしているんですね。
すごい労力。ひとつの作品ができるのにこんなプロセスがあるとは!実物の工程見本や材料の展示、彫刻するための道具展示も面白い。外科の道具とも通じるか?(笑(#^.^#))
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